義歯(入れ歯)
Denture
合わない入れ歯を使い続けるリスク
入れ歯を作った当初は使いやすかったのに、時間が経つにつれて合わなくなった、噛みにくくなった、という方は意外に多いものです。
しかし、合わない入れ歯を使い続けることで、新たな問題を生んでしまうのです。
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歯や粘膜を傷めてしまう
合わない入れ歯は、噛んだりしゃべったりするたびに、歯やお口の粘膜を傷つけてしまうことがあります。「義歯性口内炎(ぎしせいこうないえん)」という入れ歯が原因の口内炎があるくらいですので十分に注意しましょう。
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お口の機能が低下する
合わない入れ歯は、お口の機能を十分に生かせないことが多いです。お口の筋肉や顎の骨が正常に機能せず、段々と衰えていってしまいます。その結果、「オーラルフレイル(=お口の機能の衰弱)」が進行していき、噛む・飲み込む・しゃべる・呼吸する機能まで衰えてしまうのです。ここまで来ると歯や歯茎だけでなく、全身の健康にまで深刻な悪影響が及びます。
入れ歯が合わなくなる主な原因
口腔環境の変化
入れ歯が合わなくなる原因の大半は口腔環境の変化にあります。歯を失った箇所の顎骨は徐々に痩せていき、入れ歯と歯周組織の間に隙間ができるようになり、結果的に入れ歯が合わなくなってしまいます。
入れ歯の経年劣化
入れ歯そのものが劣化し合わなくなるケースもあります。特に保険診療で使われるレジン(歯科用プラスチック)は変形して合わなくなってしまうという問題が起きやすいのです。
入れ歯の種類
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総入れ歯
歯が1本も残っていない場合には、総入れ歯(総義歯)による治療をおこないます。歯茎と粘膜で入れ歯を安定させなければなりませんので、高度な技術が必要になる治療です。
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部分入れ歯
部分入れ歯とは、残っている歯に金属性のバネ(クラスプ)などをかけて人工歯のついた床を固定させる治療方法です。
入れ歯の素材例
【保険】レジン床
メリット |
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デメリット |
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治療期間/回数 | 約2~4週間/2~4回 |
【自費】ノンクラスプデンチャー
長所 |
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短所 |
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治療期間/回数 | 約2~6週間/2~6回 |
金額 | 100,000円~ |
入れ歯もメインテナンスを
入れ歯の汚れや細菌の増殖を防ぐには、歯ブラシや入れ歯洗浄剤によるお手入れが欠かせません。しかし、わずかな汚れが歯石となり、入れ歯に付着する可能性があります。歯石は歯科専用の治療器具を使用し、超音波の振動で徹底的に除去できます。
また、歯とお口のクリーニング、入れ歯の調整なども歯科医院で対応いたします。入れ歯の定期的なメインテナンスにより、清潔さや快適な装着感にもつながるのです。特に入れ歯の使用歴が長い方は、顎の筋肉や噛む力が衰えやすい傾向にありますので、歯科医院で検査を受けるようにしましょう。